あらかわ内科クリニックのブログ

愛知県 刈谷市 中手町 あらかわ内科クリニックです。 副院長が日々の出来事を発信しています。 本サイト http://www.arakawanaika.com

ラグビースコットランド戦のパブリックビューイングに行ってきました。

 先日行われた、ラグビーワールドカップ、対スコットランド戦のパブリックビューイングが豊田スカイホールで開催されたので、子どもたちと行ってきました。スカイホールのファンゾーンは入場無料の公式イベントスペースで、試合の生中継を400インチの大型スクリーンで観戦できたり、ラグビー体験コーナーやご当地グルメの屋台、スポンサー企業のブースなどが並んでいます。試合までの待ち時間もイベントが目白押しで、SKE 48やソナーポケットのミニライブも開催されていました。

パブリックビューイングに参加するのは初めてでしたが、会場内は広く、友人達と合流してレジャーシートで歓談しながら、子ども達も楽しく観戦することができました。

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試合が始まると、点数が入るたびに照明の光や音が鳴り、数百人で歓喜のジャンプをすると地響きがするくらい、大いに盛り上がりました。

特にスポーツ好きな7歳の息子は大興奮、体力を使い果たして帰りの車では爆睡していましたが、とても楽しかった!と、翌日もずっとラグビーの話をしていました。

私自身も直前の台風で開催が危ぶまれたこのスコットランド戦は、非常に思い出に残るものとなりました。ネットでも話題になっていますが、イギリスの大手一般新聞紙の「The Guardian」 の記事が本当に感動的でしたので紹介させてください。試合で日本が勝ったことももちろん嬉しいですが、それ以上に未曾有の台風の翌日、災害救助の傍らで試合開催を決断し、会場を整え、時間きっかりにキックオフできた日本が本当に誇らしいし、その心を海外メディアの方が汲んでくれたことが本当に嬉しく思いました。

www.theguardian.com

 

以下、自分なりの和訳です。(意訳している部分が結構あります。また間違い等あるかも知れませんが、ご了承ください)

 

日本は台風被害に負けず、世界にその心意気とスキルと見せつける

〜ブレイブブロッサムズ(ラグビー日本代表の愛称)は未だかつてない逆風の中、対スコットランド戦で猛烈なパフォーマンスを行いその実力を証明した〜

黙祷は、時間にしてほんの一分もありませんでしたが、たくさんの思いが込められていました。台風19号が日本列島を過ぎ去ったわずか数時間後、様々な議論や意見が渦巻く中、その試合は開催されました。グラウンドの周りは洪水で溢れた水が溜まり、被災者の救助も作業半ば、復旧作業に至ってはまだ手もつけられていない状況だったのです。台風被害の具体的状況はわからないまま、黙祷は捧げられました。そして犠牲者の数は徐々に明らかになっていきます。14日未明の死亡者は4人でしたが、その後すぐに9人であることがわかりました。そしてゲームを開始した時点では24人になり、ハーフタイムでは26人、ゲーム終了の時点では28人にも達しました。そんな状況で、果たして試合を開催すべきであったのかどうか、疑問を持たれた方もいるでしょう。ワールドラグビー競技連盟は日曜日の早朝に話し合いを行った末、日本のW杯組織委員会の意見に従うことを決めました。堤防が壊れて川が溢れ、多数の方の安否がわからないときになぜスポーツをするのか、そしてそれを観戦するのか。会場となった横浜スタジアムの25km東にある川崎市では、およそ100万人が避難所で夜を過ごしました。そして48km北にある相模原市では、土砂崩れで家が流され、何人が犠牲になったかもまだ把握できていない状況でした。
被災者の気晴らし、いつもの日常を取り戻すため、あるいは台風に負けたくない気持ち、そういうものもあったかもしれませんが、少なくとも生きている限り、希望を捨てないという強い決意の現れだったかのかもしれません。
会議に出席した幹部によると、試合を行うと決めたのは、日本の開催国としてのプライドももちろんありますが、一番大きな理由は「日本はやれることは全力でやる」と世界に証明するためでした。
幸い会場となった横浜で被害が悪化しなかった理由の1つは、横浜スタジアム鶴見川から溢れる洪水流域の中心に建設されていたことです。もともと横浜スタジアムは市内の災害対策設備であり、洪水の際は水を流しこんで貯留するため高床式に建てられていました。そして今回は災害から人々を物理的に守るだけでなく、精神的な支えにもなったのです。
台風が外で強く吹き荒れる中、関係者は土曜日の夜からスタジアムに泊まり込み、台風が去ってからはすぐに行動を開始しました。夜明けには修理員がやってきて、更衣室に何センチも溜まっていた水を吸い出し、消防隊はすべての電気設備を3回点検し、ホースでグラウンドの泥や汚れを綺麗に洗浄しました。一方、組織委員会は、政府と地方自治体、警察、消防、救急隊、水道局、道路局、鉄道会社、バス会社などの交通関係ともすべて連絡をとり、渋滞や事故が起きないための念入りな調整を行いました。
今回のワールドカップで、日本の「おもてなし」というホスピタリティがが話題に上がるたびに、私はこの言葉をどのように翻訳すればいいのか考えてしまうのですが、ここで4週間過ごしてきてわかったことがあります。日本の「おもてなし」とは、ゲストのために自分のできる最善を尽くす、それ以上のことなのです。
そのおもてなしの心意気は、世界中の人々の予想をはるかに上回るものであったため、当初はほとんど理解されていませんでした。「日本はスコットランドに今まで一度も勝ったことがないから、試合を中止して引き分けに持ち込みたいと思っているに違いない」と多くの人が誤解していたのです。スコットランドを妨害するための壮大な陰謀計画だと唱える人までいました。スコットランドラグビー連合の最高責任者であるマーク・ドットソンも同様に大きな間違いを犯しました。ドッドソンは、怒りに任せ、「引き分け試合により巻き添えを食らうのであれば法的措置も考える」と口を滑らせたのです。日本で一体何が起きているのか、日本人の思い、そしてゲームを開催して勝つためにどれだけの覚悟をしているのかについて全く理解せず、恥ずべき野蛮な言動であったと言えます。黙祷の後、日本の国歌、「君が代」が流れました。日本人と「君が代」には複雑な関係があり歌わない人もいますが、大会中は選手を応援するため積極的に歌うようにファンに参加を呼びかけていました。その日、数万人が参加して街中まで大きく響き渡る「君が代」は、圧巻で感動的でした。
直接対面したスコットランド選手同様に、これであなたにもお分かりいただけると思います。日本は自分の国に誇りを持ち、為すべきことを成し遂げ、己の真価を問う、計り知れない力を持つチームであることを。
前半戦の30分、日本は神がかっていて、猛烈で、集中力も高く、戦略的なプレイを見せました。次の日曜日に相対する予定の南アフリカを含む全てのトーナメント進出チームは圧倒されたことでしょう。 スコットランドは速いチームですが、より俊敏で、鋭く、的確なプレイの日本チームに完全に圧倒されました。スコットランドも彼らの名誉にかけて反撃しましたが、惜しくも敗れ去りました。
今の日本チームはどこを相手にしたって負けない、と日本のファンの皆様は信じていると思いますが、日曜日の偉業を成し遂げた今、世界中の多くの人々が同じ気持ちになっています。